決定的瞬間

今週はホームレイクの亀山ダムで取材をしてました。僕が取材するほうの仕事です。これまで幾度となく亀山の岩盤は危険!と注意を促してきたけど、とうとうその現場に自分が遭遇しました。写真はその決定的瞬間です。今思えば、動画を撮れば、と思うのですが実際はそれどころじゃありませんでした。
亀山に精通している方なら察しがつくでしょう。撮影現場はのむらボート下流のアシ前です。取材者はここでいいバスをみつけ、それを求めて粘りの釣りをしてました。到着して間もなく、ダバダバと落石していましたが、これはさほど珍しいことではありません。ましてや、ここは危険地域ゆえに立ち入り禁止のロープが張ってあります。しかし、しかし、その頻度が大きいのが気になってました。もしかして地震?と思いスマホで検索してみるけど、情報は皆無でした。どうしたんだろね、と取材者と、なんとなく気にしていたのですが、間もなくしてその瞬間がおとずれました。
ゴゴゴゴゴ~っとすざまじい音の方向に目を向けてみると、背中側の岩盤がペロリとめくれるように、いや、アイスクリームにコーティングされたチョコレートがたたれ落ちるように、いや、これも違うな、とにかくこれまでに見たことのない大崩落に遭遇したんですよ。「やばい、やばい、やばい」といいながら釣りをしていたセ船長は竿を置き、ただちにエレキ(ボートの動力)を最高速度にしてその場を離れました。彼が「ライジャケ着てますよね?」と再確認していたことが印象的でした。
その意味を知ったのは、崩落から数秒後のことです。亀山ではありいえない波が押し寄せてきたのです。海で波乗りをしていればある程度は並みの規模やピッチは予測できるのですが、なんせここはダム湖。それはそれは恐怖でした。幸いボートもひっくり返ることなく事なきを得ることができました。また、近くに誰もいなかったことも奇跡なことです。
夏日が当たり前になる頃になると、亀山ダムでは半数以上のアングラーがライフジャケットを着用しません。通いなれている人の着用率は非常に高いのですが、慣れてない人ほど着てないんですよね。小型レンタルボートに慣れていない人だったら横から波を受けて転覆していたでしょう。
あんな崩落をまともに受ければ間違いなく命はありません。近くにいても大波を受けて転覆する可能性もあります。せめてライフジャケットだけは、釣り人に限らず、水面に出るすべての人に着用してもらいたいですね。
レンタルボート店もライフジャケットの着用義務をもう少し促したほうがいいでしょうね。